無意識と私と羊雲に乗って

催眠療法と無意識さんに魅せられた人。

キラキラ輝く原石

夜空に瞬く星が見えた時、私はいつも「あの星に手が届かないかな?」と思って手をかざしてみます。

そして「ああ、全く届かないや」ということを確認してから、自転車を漕ぎ直します。

 

今の時期は、夜に自転車を漕ぐと風が気持ちよくて、私はずっと自転車を漕いでいたい気持ちになってくるのです。

 

だけど、どこに行くかも決めていないし、このまま帰ってこれないほど遠くに行ってしまうのも心配だ。

 

だから私は、いつでも帰ってこれるようにと、近場でばかりサイクリングをするのです。

 

サイクリングをしていると気づくことがたくさんあります。

 

それは、夜の澄んだ空気の美しさとか、日頃は見ない夜の風景を堪能しながら、「あ、あの家は明かりがついているぞ」と他の家の明かりを発見することで、少し安心する自分がいるのです。

 

だから、夜にサイクリングをしたり散歩をしたりするのはわりと好きで、夜風が私の頬に当たる感触を感じながら、今日あった良いことや悪いことを反芻していくのです。

 

サイクリングや散歩は気の済むまでやる日もあれば、「〇分」と決めてやる時もあります。

なぜなら、あまり走り過ぎたり歩き過ぎたりすると、翌日に響くからです。

筋肉痛になったり寝不足にならないように、自分に優しい生活を送るのです。

 

そんなある日、私はあることに気づいたのです。

それは、私がサイクリングをしている途中にあるお地蔵さんなんですが、そのお地蔵さんに毎日お供え物を持ってきている人がいるのです。

 

そうしてそのお地蔵さんはいつもピカピカきれいで、夜のライトに照らされたお顔は心なしか優しく微笑んでいるように見えるのです。

 

私はいつも、お地蔵さんの前を通る時は緊張していました。

なぜなら「なんだか怖い気がする…」と思っていました。

 

ホラー漫画好きだった私は、「お地蔵さん」に対してホラーなイメージしか持っていなかったのです。

 

だけどそれが、夜のライトに照らされて「美しい」と感じた時に、私の中の何かが確実に変わってきていることに、私自身が気づくことが出来るのです。

 

だから私は、夜に散歩することも怖くなくなったし、家の中で突然お化けが出てきて襲ってくることもないんだと、知りました。

 

私は夜に見た夢を、最近覚えていないし書き記していません。

昔はせっせと寝起きすぐに書き記していて「どんな悪夢を見たか」を詳細に記していました。

 

だけど、ある時から悪夢を見なくなって、それ以降「自分の夢を書き起こす」ことをしなくなったのです。

 

これは私の中で大きな進歩で、そして変化です。

 

このような大きな変化を起こしてくれるのがFAP療法で、催眠だと思っています。

 

私は、2019年の医療催眠学会での大嶋先生のスクリプトを時々思い出します。

魚屋の話でした。

(違うかったかもしれませんが、大嶋先生が「こういう場所ではメタファーに魚が出てくることが多い」と仰っていたことが印象的です)

 

私はあの時に、初めて「催眠スクリプト」というものを生で聴きました。

「聞いただけで人生が変わるの?」と期待して数か月、そして数年過ごしてきた気がします。

だけど、私に大きな変化はありませんでした。

 

だけど、時々あの時のスクリプトの「魚屋」を思い出すのです。