私は私であって、他の誰でもない。
私は誰かの影響によって人格が変わってしまったり、発作的に怒ったり泣いたり、そんなことが多い人生でした。
だから、母親や彼氏と呼べる距離感の人によく「多重人格」だと言われていました。
それだけ、別人だったのでしょう。
問題は、モラハラ男のように突然怒り出し、突然優しくなるという、そんな乱高下を繰り返して自分でも止めることが出来なかったのです。
だから私は、いつも自分で自分を罰していて「あなたはダメな人間なの」と呪いの暗示を掛けていたんです。
今にして思えば、それは母親からの影響であったり、支配者の彼氏からの裁きだったのかもしれません。
だけど私は、ひたすら自分が悪いと思って、自分を裁き、そして人を裁いていたのです。
そんなある日、私はある雪の日に、静かに音を聞いていると、なんと天使のような声が聞こえてくるのです。
よく耳を澄まそうと思うと聞こえなくなって、だけど窓から離れた途端に声が聞こえるのです。
「なんだ?」と思って、今度は窓に近づかず遠い距離から、窓の外の音に耳を傾けてみました。
すると、天使の声は「あなたは大丈夫」とささやいているのです。
私はその声を聞いて、なんだかとても安心して、毎日ゆっくり眠ることが出来なかったんだけど、その日はとてもゆっくり眠ることが出来たんです。
また、ある日、同じく天使の声を聞いたきがしました。
それはまどろんでいる布団の中、部屋のドアから天使が入ってきて、スーッと私の上に覆いかぶさって消えたのです。
そうすると、なんだか自分に力がみなぎってくるような感じがして、私は「1人じゃないんだ」と思うんです。
この時のことを心に聞いてみると、「心よ、これは本当に天使だったのですか?」と聞くと、心は「そうですね、あなたの心が作り出した幻想はとても美しいので、時に天使に見えるのかもしれません」なんて答えてきます。
「心よ、心が作り出す幻想とは何ですか?」と聞くと、心は「それはあなたが心の中で頼りにしているもの───たとえば、あなたの母親が作り出すルールなんかは、天使に例えるととても美しい音色かもしれませんね」と言ってきます。
「心よ、それではあの天使は支配なのですか?」と聞くと、心は黙ったきり、何の返答も返して来ないのです。
私は実は知っていたのです。
あの天使が、もしかしたら支配者なのかもしれないということを。
だから、今でも母親の元に戻るときは気合いが入ります。
母親と関わると謎にイライラしたり、落ち込んだり、気持ちが不安定になるからです。
だから私はその度に「あーあ、母親と関わらなければ良かった」と思うのですが、それが天使の罠なのかもしれません。
なぜなら、「母親の元が一番居心地が良い」という暗示を、私は入れられたまま、同時に母親を憎しみ続けてきたから。
母親は今年、何歳になるのだろう。
私とは28歳違うかったはずです。
私は、母親が私を産んだ年齢で私も出産をしたかった。
その年齢を過ぎた私は、パートナーを探すことも結婚をすることも子供を望むことも忘れていたんだ、と今さら気づくのです。
そういえば、ある人に読んでいただいたスクリプトには、クリスマスケーキと母親が出てきていて、クリスマスは私が誕生日の次に大事にしているイベントなのです。
クリスマスというと、私はずっとサンタを信じていたのだけれど、中学に入った年の冬に母親から「あんたはもう知ってるだろうけど、妹には内緒やで」と言われたことが衝撃的でした。
確かに私と妹は毎年、サンタの正体を見ようと必死に起きていましたが、結局一度も確認することはなかったのです。
私は、きっとずっと母親から愛されていたかった。
だけど、大人になった今、母親の愛がそれはもう鬱陶しい(笑)
これはきっと、遅い反抗期が私をトラウマから救って変えてくれるのだと、そんな気がしているのです。