無意識と私と羊雲に乗って

催眠療法と無意識さんに魅せられた人。

鈴蘭の幻想と孤独

鈴蘭、と聞くと、私はあるRPGゲームを思い出すのです。

それは北欧神話を元にした戦乙女のお話なんですけど、私は子供ながらにずっと「戦乙女になりたい」と思っていました。

 

なぜ戦乙女になりたいと憧れたのかというと、やはりその美しさや強さなのでしょう。

魂を選別するお仕事というよりは、「自分がいかに強く気高いか」が当時の私からしてもとても大事だったのだと思います。

 

それは今でも変わらなくて、私は自分が理想とする自分というのは、いつもどこかで「孤独」を抱えながら生きている女性だったのです。

 

なぜ、こんなことを思い出したのかというと、私はインサイト・カウンセリングの2回目のセッションで「あなたの偽りの快感のコードは“孤独”です」と伝えられたからです。

(事実はもう少し違った表現でしたが)

 

私は、インサイトで治療を始めてから、もう4年ほどが経っています。

その間、律儀に毎週カウンセリングを受けている時もあれば、半年空いたりしてまた再開したり…ととても不規則でした。

 

私は当時『孤独』ですと伝えられても、「なんだ、普通だな」とぐらいにしか思っていませんでした。

 

だけど、改めて偽りの快感や支配の理論について考えたとき、この『孤独』というのは何て奥が深いんだろうと思ったのです。

 

そう、単純に孤独なのではなく、偽りの快感が『孤独』なので、どうしたって『孤独』になる方に引っ張られていくのです。

だって『孤独』でひとりぼっちで苦しいのが、「心地よい!」と感じているわけだから。

 

そういえば、大嶋先生からGABRG2の遺伝子コードを教えていただいた時も「一体感が無理なんだよね~」と仰っていただいていたので、どうしても「人と仲良くなる」「親密になる」が苦手なわけなんですね。

それで、去年か一昨年には「愛着が回避型」というナラティブの診断名もついたので、「ああ、なんだ私は孤独がずっと好きだと思っていたけれど、そっちは偽りの快感」とようやく気付くことができたわけなんです。

 

もちろん、孤独自体は悪いものではありません。

私の場合、何が問題になっているのかというと、『孤独』という偽りの快感があるがゆえに、せっかく仲良くなったり慕ってくれている人を一刀両断しちゃうというか、なんかチクチク嫌味な感じを出しちゃって遠ざけてしまうわけなんです。

 

「結局、自分は一人ぼっちなんだ」といじけて浸るような感じに近いですよね。

まわりにはあたたかい人間関係が広がっているのに、「どうせ誰も助けてくれない」というような感じに近いです。

 

だけど、大嶋先生が書籍か何かで仰っている『孤独』というのは、人はみな「自分は一人、あの人も孤独」と認めた時に一体感が生まれるというミラーニューロン的な話だったと思います。

 

そう、自分の孤独や他人の孤独を認めた時に、はじめて見える世界がある。

 

人は「自分だけが!」と思うと、発作を起こしやすくなります。

でも、よくよくまわりを見回してみると、自分だけではなく、みんなと繋がっているわけなんです。

 

だから、今「自分だけが!」と思っているその感情は、目の前の人のものかもしれないし、家族から入れられたものかもしれない。

何一つ「自分の感覚ではない」と捉えた時に、そこには凪の世界が広がっているのです。

 

支配されることが悪いことでもないし、支配されないように生きることが素晴らしいものでもないと思います。

支配から抜ける時が一番辛くて、でも、それでも誰かの支配ではなく「自分らしく自由に生きたい!」と思った時に、そこには確かに今まであなたが歩いてきた道標が立っているのだと思います。

 

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大嶋信頼先生『誰もわかってくれない「孤独」がすぐ消える本』

 

私はこの本を読んで、今まで無自覚だったけれど頻繁に「私だけが!」という被害者意識にも似た孤独感を持っていることに気づきました。

 

ナラティブで書かれているので、頭の中に内容はほぼ残っていませんが、読み終わった時に目の前のイメージとして出てきた「沼のまわりにたくさんの色とりどりの花が咲き乱れている」光景は、今でも忘れていません。

 

「私だけが損している!」「私だけが惨めである!」「私だけが嫌われている!」「私だけが苦労している!」

そんな感情は万能感にも繋がるのかもしれませんね。自己肥大化とか。

 

だけど、そうやって「私だけが!」と思っている内に、どんどんどんどん底なし沼に落ちていって、もがいても抜け出せないような感覚がずっとありました。

 

「私のこの孤独は、本当に私のもの?」と心に聞いたとき、大抵私じゃない人のものだと答が返ってきます。

 

だから、他人の孤独感を自分のものにして背負ってしまって、余計に沼にズブズブと沈んでいくような体の重さや怠さがあったのかもしれません。

 

孤独感は悪いものではありません。

孤独の中には、本来、凪があります。

 

孤独の発作を打ち消すために、この「孤独の本」はとてもオススメです。

 

あなたは一人じゃない。

ちゃんと無意識化で、みんなの「孤独」と繋がって共有しあっているんだ。